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ソード10『セドナ』
ソードの10
『セドナ』
カナダ・イヌイット神話
昔々、雪の広がる極北の地にセドナという美しい女性が住んでいました。彼女は家族に結婚することを望まれていましたが、それを頑なに拒んでいました。
美しいセドナには、たくさんの求婚者がいました。しかし、彼女はその全員に過失を見つけて追い返してしまうのでした。
ある日、美しい狩人の男が、セドナとの結婚を求めて村に現れました。セドナの父親はすぐにその男を気に入りました。
彼は、彼女との結婚と引き換えに、家族にたくさんの肉や毛皮を与えることを約束したので、セドナもそれを承諾することにしました。
2人が結婚すると、男はセドナを故郷の島に連れて帰りました。そして、自分の正体が、人間の男に変身したアホウドリであることを彼女に明かしたのです。
その上、アホウドリは約束を果たさなかったため、セドナは、肉も毛皮も与えられない惨めな生活を強いられてしまいました。
やがて、セドナの父親が島に訪ねてきて、彼女の惨めさを目の当たりにし、ようやく男に騙されていたことに気が付きました。
彼はアホウドリを殺し、セドナをカヤックに乗せて家に連れ帰ることにしました。
一方、アホウドリの家族は、彼が殺されたことを知って怒りに燃えました。
彼らはその翼を激しく打ちつけて、嵐を起こしたのです。
小さなカヤックはすぐに転覆しそうになりました。セドナの父親は懸命に彼らををなだめましたが、聞き入れられません。ついに彼は恐れをなし、セドナを船外に投げ出しました。
★セドナは船べりをつかみ、その手を放さなかったので、 父親はナイフで彼女の指を切り落とし、凍てつく海へと沈めました。
(ここがカードの場面です)
しかし、セドナは怒りのために死なず、海底で海の女神になりました。
切り落とされた彼女の指はアザラシとクジラになったと言われています。
セドナは、時々、過去の自分の不幸を思い出して嵐を起こすので、人々は祈りを捧げてそれをなだめるようになったということです。