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カルマ論で読む『ムウィンド叙事詩』
ワンドのペイジ
『ムウィンド叙事詩』
コンゴ民主共和国
ニャンガ神話
トゥボンド村の英雄ムウィンドが、叔母イヤングラや雷神ヌクバの加護を受けながら、多くの試練を乗り越え、父シェムウィンドを倒して(和解し)王となる物語です。
カードには、バナナ農園を駆け回る天然野生児感満載のムウィンドが描かれています。
「うえーい!」って言ってると思います。(ほんとか?)
個人的にとても好きなカードです。
『ニャンガ神話』という響きも極めて可愛く心を奪われます。お母さんの名前はニャムウィンドです。萌えます。
ムウィンドの物語は、コートカードのペイジに共通する、天真爛漫さ、ある種の無欲さ、楽観的なパワーが最も感じられるカードだと思います。
しかし、神話だけあってスケールのでかさはピカイチ。冥界に行ったり、天界に行ったり、神々とバトルしたり、なんだか一周まわってゲームの世界みたいです。
更にそんなスケールで展開するのが壮大な親子喧嘩だったりする…そんな物語が古今東西たくさんありますね。スターウォーズとか!
そんなムウィンドの凄いところは、たくさん敵も作るけれど、より多くの強力な味方を得るところです。
雷神ヌクバがその最たるところで、召喚すると雷を落として村を破壊してくれます。
それなんていうメガテンなの?!それともピカチュウなの?!
それはさておき、強靭な力を持った神々がムウィンドに協力したくなるのは、やはりムウィンドの魅力的ゆえだと思います。
ムウィンドは、母親の胎内に長い期間とどまっていたり、魔法の道具と共に生まれて、すぐに喋り出したりと、いわゆる『典型的な神の子』と言える存在なので、もともと力は備わっているのです。
それでも、叔母イヤングラや、雷神ヌクバ、死者の神ムイサの娘カインドなどの手助けなくては、父を倒し村を再建することは叶わなかったと思われます。
おそらくムウィンドには『何かをしてあげたい』『助けてあげたい』と思わせる何かがあるのです。
これはポジティブな依存の力です。
きっとムウィンドの父親討伐の物語にみんな参加してみたくなったのですね。
ムウィンドが一生懸命に頑張っている!というのが大事なポイントです。
頑張ってない人を助けたいとは思わないですもんね。うーん…耳に痛い話です…。
それにしても、私たちの日々の行為や結果って、何処までが自分の実力で、何処までが神様の加護によるものなのでしょう?
とても勉強が出来たり、スポーツが出来たり、難関大に受かったり、良い就職が出来て出世したり。目標に向かって地道に努力が出来るということさえも、本当に自分の力なのでしょうか?
その答えは人間の立場からは『わからない』というのが正直なところです。
でも『全てが神様の思し召しです』と敬虔に考えられる人こそ、人生を思うままに生きられるようです。
旧約聖書ヨブ記のヨブもこう言っていました。
『わたしたちは神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか』と。
ここまで突き抜けられたら、本物の悟りですね。
つまり、信仰とは『ポジティブな依存』であると言えると思うのです。
もちろんこのポジティブな依存は人間関係にも使える技術?です。
上手く使えば、相手を思うままに操れるのですから、まさに魔術…!ちょっと怖いですね。
同時に、がむしゃらに頑張ることで、大きな力に助けてもらえる…自力で限界まで頑張ることの大切さをムウィンドの生き様が教えてくれています。