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コイン9『スイカの伝説』
コイン9『スイカの伝説』ベトナムの伝説
むかしむかし、ある孤児の少年がベトナムの王 に仕えることになりました。
王は彼をマイアンティエムと名付けました。
マイアンティエムはとても魅力的で知性的な青年に成長したので、王は自分の娘と結婚させ、大きな家と多くの使用人を贈りました。
マイアンティエムは3人の子供にも恵まれ、豊かで幸せに暮らしていました。
しかし、延臣(ていしん=頻繁に宮廷に列している人物)たちは、王の恩恵を受けるマイアンティエムに嫉妬していました。
彼らは、ある宴会でマイアンティエムが『自分の幸運は前世での行いが良いからだ』と発言したのを聞き逃さず、それを王に告げ口しました。
王は激怒して、マイアンティエム一家を荒涼とした島に追放しました。
一家は真水の少ない砂漠の中で生き永らえるのに大変な苦労をしました。
そんなある日、マイアンティエムは奇妙な黄色い鳥が地面をつついているのに気が付きました。
不思議に思って調べてみると、中がしたたるように赤く、種がいっぱいのみずみずしい果物が見つかりました。
マイアンティエムがそれを食べてみると、甘さが口いっぱいに広がり、空腹と喉の渇きを潤しました。彼は、残りを家族と分け合い、土地を耕して種を蒔きました。
マイアンティエム一家は程なく、食べきれないほど多くの果物〜スイカと名付けたもの〜を手に入れました。
マイアンティエムはスイカの皮に自分の名前を刻むと、それらを海に漂わせました。
それを見つけてを食べた人たちが、リピーターとなり、マイアンティエム一家のもとへやってくるようになりました。
マイアンティエム一家はスイカ事業を始めました。 それはとても繁盛したので、大きな家と多くの従業員が必要になるほどで、一家は再び非常に裕福になりました。
それを知ったベトナムの王は、マイアンティエムに幸運をもたらしたのは、彼自身の機知であり、王の恩恵によるものではないことに気づきました。
王がマイアンティエム一家に許しを乞うと、家族は喜んで王と再会しました。