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コインのペイジ『ベイヴィ・ニエダ』
コインのペイジ
『ベイヴィ・ニエダ』
スウェーデン
北極圏の冬は長く、太陽は昼でも薄暗く隠されています。
そこで暮らすサーメ人は、トナカイを飼い、群れを成しながら、太陽の女神であるベイヴィと彼女の娘であるベイヴィ・ニエダの帰りを待っていました。
彼女たちの不在と長い冬の暗闇は、人々の精神に悪影響を及ぼしていました。
冬至になると、人々は白い雌のトナカイを捧げ物にして、太陽の女神ベイヴィに敬意を表しました。
それは、ベイヴィが世界に戻って長い冬を終わらせる力となりました。
春になると、ベイヴィは空に戻りました。 彼女に体力をつけて空をどんどん高くしていくために、人々は玄関先にバターを塗って捧げ物としました。
ベイヴィは、精神を患った人々を祝福しました。(サーメ人は精神疾患が、長くて暗い冬の間の日照不足によって引き起こされると信じていました)
ベイヴィと娘のベイヴィ・ニエダは、トナカイの骨や角で作られたそりで空を旅して、地上に豊穣と生命をもたらしました。
夏になると、人々は仔を産んだトナカイの濃厚なミルクで作ったお粥をベイヴィに捧げました。
その昔、ベイヴィ・ニエダが母親を空に残して、地上の人々の群れに加わったことがありました。 善良な彼女はたくさんの知識を人々と共有しました。
人々は彼女に感謝し、ストーリーテリング、刺繡、ボタン作り、海の歌、その他多くの技術を楽しみながら学びました。
しかし、やがて彼らはベイヴィ・ニエダの果てしない才能に苦々しい嫉妬を覚えて、彼女を殺そうとしました。
人々はベイヴィ・ニエダを罠にかけ、巨大な岩で押しつぶそうとしたので、彼女は空にいる母ベイヴィの元へ戻りました。
ベイヴィ・ニエダはそれ以来、地上に戻って来なかったということです。