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ワンド10『ティンボの木』
ワンドの10
『ティンボの木』
パラグアイ・グアラニー伝説
昔々、サグアアという男がいました。彼はある部族のリーダーでした。彼には、タクアリーという娘がいました。 2人とも善良だったので、部族の人々から敬愛されており、娘のタクアリーには多くの求婚者がいました。
しかし、タクアリーは他の部族の男性に恋をしていました。サグアアは、大切な娘が遠くに嫁いでしまうことを悲しみましたが、彼女の願いを尊重し、祝福して彼女を送り出しました。
しかし、待てども待てどもタクアリーからの連絡はありません。
彼女の身を案じたサグアアは、嫁ぎ先の村に向かいました。しかし、たどり着いて目にしたのは、未知なる敵に襲われて廃墟と化した村でした。
サグアアは半狂乱になって、タクアリーを探しました。地面に這いつくばり、冷たい土に耳を押し付けて足音を聞き取ろうとしましたが、何も聞こえません。
場所を変えては、何度も何度繰り返し地面に耳を付け、手がかりを探ろうとしました。
彼は1人きりで捜索を続けました。
誰かに助けを求めることもなく。
数ヶ月が経ちました。
部族の人々がサグアアを探しにやってきました。彼は地面に耳を付けて横たわったまま、息絶えていました。
★不思議なことに、その耳からは木が生えていました。やがて花が咲き、まるで人間の耳のような形の実をつけました。
(このシーンがカードに描かれています)
その日から、ティンボの木は父親の娘への不朽の愛を象徴するようになりました。